こんにちは!
レスキュ研磨工場 代表を努めます杉浦です。
本日はこちらの高さゲージ(マスター)をご紹介します。
こちらは、いつもお世話になっておりますゲージメーカー様より全加工(素材~仕上げ)にてご注文をいただきました。

仕様
【材質】 SKS3 焼入、サブゼロ処理
【ワークサイス】 175*220*30(板)
【精度】 板部、平行度0.01
Φ20 T=57.7、T=56.2、T=44.5、T=41.8、T=39.3 ±0.003
【加工ポイント】
・ベース部が基準になるために出来るだけ平面度、平行度の精度を出す。
・Φ20ロケット部のマスターは±0.003の為、熱膨張に気をつけながら精度出しをする。
全加工で承りましたので、研磨加工前にざっとノギス等で一般交差の確認、硬度計にて硬度の確認をします。
今回も特に問題はありませんでした♫
まずは、ベースの研磨作業です。
図面上は平行度0.01とありますが、研磨加工をした加工面が基準になりますので出来るだけ0を狙い研磨加工をします。
厚みを一般交差に、平面度、平行度を仕上げたところで、最後に1.6Zの面粗さに仕上げます。
簡単に砥石のご説明をしますと、荒取りの時、ドレッサーを荒く(F値を早く、切り込みを多く)、仕上げは荒取りの逆になります。
分かりやすく言いますと、砥石面がノコギリのイメージです。
荒→目の荒いノコギリ
砥石の切れ味良い(研削熱を持ちにくい)
面粗さ悪い
仕上げ→目の細かいノコギリ
砥石の切れ味悪い(研削熱が発生しやすい)
面粗さ良い
っといった関係になります。
仕上げ作業であまり目を細くしすぎてしまいますと、砥石が目詰りを起こして焼けたり、研削熱で再び歪が出てしまうことがあります。
従いまして、面粗さを仕上げる時は毎回、加工するワークの大きさや、砥石の状態を判断しながらの作業になります。
まさに五感(目:火花 耳:研削音 手:感触)を研ぎ澄ましての作業です (^^)

続いてロケットのマスターです。
先端部がΦ12と小さくなっているために反対面を研磨する時は磁気の効きが悪いのでアテをするなどの工夫が必要です。
また、長いものは熱膨張で研磨後に必ず縮みますので、縮み代を考慮しての作業が必須になります。
つまり、一度荒研磨にて寸法近くまで追い込み、温度慣らしをした後仕上げの研磨加工になります。
また、今回気をつけなければいけないことは、組み付け後の精度出し。
単独で精度を出しても組み付け(穴付きキャップボルト)で固定すると若干沈みます ^^;
最終の仕上げには注意が必要です。

取りすぎましたら、アウトです!
研磨→取り付け→温度慣らし→測定の繰り返し作業が続きます。
最終の仕上げは焦らず、根気との戦いになります(笑)
6本共無事に仕上がりました。

【実測値】
板:平行度、平面度 0.002
T=57.7 ±0
T=56.2 +0.0015
T=44.5 +0.0015
T=41.8 ±0
T=39.3 +0.001

仕上げ加工(組み付け調整)のみ、検査具、ゲージ製作でお困りの方お気軽にレスキュ研磨工場 (株)ジートライズまでご相談下さいませ。